「相手に合わせます」は本当に思いやりでしょうか?
婚活では、お相手に良い印象を持ってもらおうと「相手に合わせよう」と考える方は少なくありません。
「何でも大丈夫です。」
「お任せします。」
「平日でも大丈夫です。」
一見すると、相手を優先した優しい返事に思えます。
もちろん、相手への配慮はとても大切です。
しかし、結婚相談所でカウンセラーをしていた頃、このような返事をされる会員さんを見るたびに、少し気になってしまうことがありました。
それは、「相手は本当に返事がしやすいだろうか?」ということです。
婚活は、自分の希望を押し通す場ではありません。
だからといって、自分の希望をまったく伝えないことが、必ずしも思いやりになるわけでもないのです。
「何でもいい」が相手を困らせてしまうことも
例えば、こんな会話を想像してみてください。
「今日の夕飯、何が食べたい?」
「何でもいいよ。」
夫婦やカップルではよくある会話ですよね。
「何でもいい」と答えた本人は、「相手に合わせよう」と思っているのかもしれません。
でも、聞いた側はどうでしょうか。
「結局、私が決めるの?」
「何を提案しても文句は言わない?」
「本当に何でもいいの?」
そんなふうに考えてしまうことがあります。
婚活でも同じです。
「平日でも大丈夫です。」
「いつでもいいです。」
「お任せします。」
これらの返事は、一見すると協力的ですが、実際には相手が判断するための材料がありません。
その結果、お相手やカウンセラーは、
「では、何曜日なら都合がいいですか?」
「何時頃でしたら大丈夫ですか?」
と、もう一度確認しなければならなくなります。
つまり、やり取りが一往復で終わらず、何度も続いてしまうのです。
婚活では、「もっと条件がいい人がいるかもしれない」「もう少し考えてから決めたい」と迷う方も少なくありません。こうした考え方も、ご縁を遠ざけてしまう原因になることがあります。
▶ 婚活で「もっといい人がいる」と思ってしまう理由|ご縁を逃す人の共通点
元カウンセラーとして気になった日程調整
私が結婚相談所でカウンセラーをしていた頃、ある男性会員さんとの日程調整で、このようなことがありました。
その方は普段から、自分からお見合い希望日をほとんど出されない方でした。
日曜日が固定でお休みなので日曜日はお見合いの予定を入れてもOKとは聞いていました。
ただ、最近はお仕事が忙しいとお伺いしていたので、念のため確認しておこうと思い
「〇日か〇日で調整させていただいてもよろしいでしょうか?ご希望のお時間などありましたら教えてください。」
というように、会員さんが答えやすいように、できるだけ選択肢を用意してご連絡していました。
すると返ってきたお返事は、
「できれば夜の方がいいですね。」
「最近仕事が忙しくて。」
「お相手は接客業の方だから日曜日は仕事かもしれませんね。」
「平日でもいいですよ。」
という内容でした。
ここで少し考えてみてください。
この返信だけで、お見合いの日程は決められるでしょうか。
・日曜日は大丈夫なのか。
・平日のいつが空いているのか。
・何時なら都合がいいのか。
結局、こちらからもう一度確認する必要があります。
もちろん、その会員さんに悪気はありません。
むしろ、お相手のお仕事まで気遣っていることは伝わってきます。
だから、「思いやりがない人」というわけではないのです。
ただ、「相手が次に何を知りたいか」という視点が少し抜けてしまっていたように感じました。
婚活で大切なのは「相手が動きやすい情報」を伝えること
婚活では、コミュニケーション能力が高い人が選ばれるわけではありません。
話が面白い人や、会話上手な人だけがご縁をつかむわけではないのです。
私が多くの会員さんを見てきて感じるのは、「相手が動きやすいように伝えられる人」は、やり取りがとてもスムーズだということです。
例えば、
「平日でも大丈夫です。」
ではなく、
「平日でしたら、22日(火)19時以降、24日(木)19時以降、25日(金)20時以降でしたら調整できます。」
このように伝えれば、お相手はすぐに予定を確認できます。
一度で必要な情報が伝わるため、お互いの負担も少なくなります。
このような小さな積み重ねが、「この人とはやり取りがしやすい」「一緒に生活しても安心できそう」という印象につながっていくのです。
主体性と気遣いは両立できます
ここまで読むと、
「では、自分の希望をどんどん伝えればいいの?」
と思われる方もいるかもしれません。
もちろん、そういうことではありません。
婚活では、自分の希望ばかりを押し通してしまうと、「自己中心的な人」という印象を与えてしまうこともあります。
大切なのは、自分の希望を伝えたうえで、お相手への配慮も忘れないことです。
例えば、お見合いの日程調整であれば、
「私は22日(火)19時以降、24日(木)19時以降、25日(金)20時以降でしたら調整できます。もしご都合が合わないようでしたら、別日でも大丈夫です。」
このような伝え方なら、自分の希望も伝わりますし、お相手も返事がしやすくなります。
「相手に合わせること」と「自分の希望を伝えること」は、決して反対ではありません。
むしろ、お互いが希望を伝え合うからこそ、ちょうど良い落としどころを見つけることができます。
「何でもいい」は結婚生活でも困ることがあります
婚活は、お見合いがゴールではありません。
その先には結婚生活があります。
例えば、休日の予定を決めるとき。
「どこか行きたいところある?」
「どこでもいいよ。」
夕飯を決めるとき。
「今日は何が食べたい?」
「何でもいいよ。」
旅行の計画を立てるとき。
「どこへ行きたい?」
「任せるよ。」
一つひとつは小さなことです。
でも、それが毎回続くと、もう一方は「結局、全部私が決めるのかな」と感じてしまうかもしれません。
もちろん、本当に相手に合わせたい気持ちなのだと思います。
しかし、相手にとっては「優しさ」ではなく、「判断を任されている」と感じることもあるのです。
だからこそ、
「私は和食の気分だけど、○○さんが洋食を食べたいならそちらでも大丈夫。」
このように、自分の気持ちを伝えながら相手にも配慮するコミュニケーションは、結婚生活でもとても大切になります。
「何でもいい」と答えてしまう背景には、「女性が喜ぶ正解を選びたい」という気持ちが隠れていることがあります。
しかし、婚活で大切なのは正解を探すことではなく、自分の考えを伝えながら、お相手とすり合わせていくことです。
▶ 婚活男性がやりがちな『正解探し』|大切なのはルールより相手を見ること
婚活では小さなやり取りにも人柄が表れます
婚活中は、プロフィールや条件だけを見ているわけではありません。
日程調整の返信。
LINEのやり取り。
デート中の会話。
そうした一つひとつの積み重ねから、お互いに「この人と結婚生活が送れるだろうか」と考えています。
これは、文章が上手かどうかという話ではありません。
気の利いたことを書けるかでもありません。
相手が返事をしやすいように伝える。
相手が判断しやすいように情報を整理する。
自分の希望も伝えながら、お相手への配慮も忘れない。
そんな小さな積み重ねが、「この人となら安心してやり取りができそう」「一緒に生活しても話し合いができそう」という安心感につながるのです。
私がカウンセラーとして多くの会員さんを見てきた中でも、交際が順調に進む方は、決して話し上手な方ばかりではありませんでした。
むしろ、「相手がどう受け取るだろう」と一歩立ち止まって考えられる方ほど、お相手とのやり取りが自然で、交際も長続きしていたように感じます。
まとめ|婚活は結婚生活の予行練習
婚活では、「相手に合わせること」はもちろん大切です。
しかし、それだけでは十分とは言えません。
自分の希望を伝えることも、お相手への思いやりの一つです。
希望が分かれば、お相手は予定を立てやすくなります。
考えが分かれば、安心して話し合うことができます。
婚活中の何気ない日程調整やLINEのやり取りも、結婚生活では毎日のように繰り返されるコミュニケーションです。
だからこそ、「何でもいい」「お任せします」と伝える前に、
「相手が返事をしやすいかな?」
「相手が判断できる情報は伝わっているかな?」
と、一度考えてみてください。
その小さな意識の変化が、ご縁を育てるきっかけになるかもしれません。
結婚相手を探す婚活だからこそ、「条件が合う人」を探すだけではなく、「一緒に生活する姿が想像できるコミュニケーション」を意識してみてはいかがでしょうか。
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