結婚相談所で婚活をしていると、
「悪い人ではなかったけれど、何か違った」
「見た目がそこまでタイプではなかった」
「話し方が少し気になった」
「いい人だとは思うけれど、交際を続けるほどではないかな……」
そんな理由で、お見合いや仮交際を終了することがあります。
もちろん、結婚相手を探しているのですから、誰とでも交際を続ければいいわけではありません。
合わないと感じることもあれば、どうしても受け入れられない部分が見つかることもあります。
ただ、元結婚相談所カウンセラーとして多くの婚活を見てきて感じるのは、相手のことをまだほとんど知らない段階で「この人は違う」と判断してしまう人も少なくないということです。
一方で、お見合い直後には「そこまでタイプではない」「交際希望を出すか迷う」と話していた人でも、何度か会いながら相手を知ろうとした結果、最初とは印象が大きく変わることがあります。
婚活で理想を持つことは悪いことではありません。
しかし、理想の相手を基準にして目の前の人を採点する「減点方式」の婚活になってしまうと、本当は相性の良かった人まで、自分から候補から外してしまう可能性があります。
この記事では、婚活で減点方式になってしまう理由と、相手の欠点ばかり気になってしまう人に考えてほしいことを、元結婚相談所カウンセラーの視点からお伝えします。
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婚活の「減点方式」とは?
婚活における減点方式とは、自分の中にある理想の相手を100点として、そこから違う部分を見つけるたびに点数を引いていくような相手の見方です。
たとえば、お見合いをした相手に対して、
「写真よりタイプではなかった」
「服装がちょっと好みではない」
「話し方が少し気になる」
「趣味が合わない」
「思ったほど会話が盛り上がらなかった」
といった部分を見つける。
仮交際に進んでも、
「LINEの返信が遅い」
「お店選びがいまひとつ」
「デートで少し気が利かなかった」
と、気になるところを探してしまいます。
一つひとつを見れば、結婚生活に大きく影響する問題ではないかもしれません。
ところが、それらをすべて「マイナス」として積み重ねてしまうと、最終的には、
「悪い人ではないけれど、何か違う」
という結論になってしまいます。
減点すること自体が悪いわけではない
誤解してほしくないのですが、婚活で相手の気になる部分を見ること自体が悪いわけではありません。
結婚相手を探している以上、
「ここだけはどうしても受け入れられない」
という部分があるのは当然です。
金銭感覚が大きく違う、人に対する態度が気になる、約束を守らない、結婚後の生活について価値観が大きく違う。
こうしたことは、むしろ交際中にしっかり確認しておいたほうがいいでしょう。
問題なのは、小さな違いまで「この人は結婚相手として違う」と判断する材料にしてしまうことです。
なぜ婚活で減点方式になってしまうのか
では、なぜ相手を減点方式で見てしまうのでしょうか。
私がカウンセラーとして婚活を見てきて感じるのは、減点方式になってしまう人ほど、自分の中に「こういう人と結婚したい」という完成された理想像を持っていることが多いということです。
理想の結婚相手と比べてしまう
婚活を始めれば、誰でもある程度の理想は持つと思います。
年齢、見た目、年収、職業、性格、趣味、住んでいる場所など、「できればこんな人がいい」と考えることは決して悪いことではありません。
ただ、その理想が細かくなりすぎると、目の前の相手を見るのではなく、
「自分の理想にどれだけ当てはまっているか」
を確認する婚活になってしまいます。
理想と違うところを見つけるたびに、
「ここが違う」
「これもちょっと違う」
と減点していく。
そうなると、相手を知ることよりも、理想との間違い探しのような婚活になってしまいます。
理想と違うことを「妥協」と考えてしまう
もう一つ感じるのが、「理想と違う相手と交際すること=妥協」と考えてしまうケースです。
たとえば、
「見た目がそこまでタイプではない」
「希望していた年収より少し低い」
「趣味が違う」
という相手と会うことを、
「ここまで妥協して結婚したくない」
と考えてしまう。
しかし私は、婚活で必要なのは理想を妥協することではなく、理想と現実の違いを受け入れられるかを考えることだと思っています。
自分の理想を100%満たす人がいたとしても、その人にも自分がまだ知らない一面があります。
そして当然ですが、相手から見た自分も100点ではありません。
結婚は、お互いに違う部分を持った二人が生活を作っていくものです。
「理想と違う=妥協」と考えてしまうと、そのスタート地点にすら立てなくなってしまいます。
「もっといい人がいるかもしれない」が減点方式を加速させる
結婚相談所では、たくさんの会員プロフィールを見ることができます。
そのため、一人の相手に少し気になるところが見つかると、
「もっと自分に合う人がいるかもしれない」
と思いやすくなります。
今の仮交際相手には気になるところがある。
一方、まだ会っていないプロフィール上の相手には、気になるところが見えません。
すると、どうしても新しい相手のほうが魅力的に見えてしまいます。
でも考えてみれば当然です。
今の仮交際相手については、何度か会っているからこそ良いところも悪いところも見えています。
まだ会っていない人について知っているのは、プロフィール写真や年齢、年収、趣味など限られた情報だけです。
欠点まで見えている現実の相手と、良い情報しか知らない相手を比べているともいえます。
「もっといい人がいるかもしれない」と思ってしまう心理については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶ 婚活で「もっといい人がいる」と思ってしまう理由|ご縁を逃す人の共通点
減点方式の一番の問題は「相手を知る前に答えを出してしまうこと」
私が減点方式の婚活でもったいないと感じるのは、相手の良さが見えてくる前に交際を終了してしまうことです。
お見合いは、基本的には短い時間の中で行われます。
その時間だけで分かることには限界があります。
第一印象や会話のテンポ、見た目の好みなどは分かるかもしれません。
しかし、
「困ったときにどんな対応をする人なのか」
「自分の話をどれくらい真剣に聞いてくれるのか」
「他人に対して思いやりを持てる人なのか」
「一緒にいて安心できる人なのか」
「意見が違ったときに話し合える人なのか」
といった部分は、1時間程度のお見合いではなかなか分かりません。
それでも、
「タイプではなかったから」
「思ったほど盛り上がらなかったから」
という理由だけで答えを出してしまえば、その人の別の一面を見る機会はなくなります。
「タイプじゃない」と言っていた人の印象が変わることは珍しくない
これは、カウンセラーとして実際に会員さんを見ていて何度も感じたことです。
お見合い後に、
「正直、見た目はそこまでタイプではありません」
「悪い人ではないんですけど、交際希望を出すか迷っています」
と話していた方がいました。
それでも、
「嫌なところがあったわけではないし、もう一度会ってみます」
と仮交際に進む。
そして2回、3回と会っていくうちに、話す内容が変わっていくことがあります。
「思っていたより優しい人でした」
「ちゃんと話を聞いてくれるんですよね」
「一緒にいると意外と楽なんです」
「最初より印象が良くなりました」
もちろん、すべての人がそうなるわけではありません。
何度か会ってみて「やっぱり違った」となることも当然あります。
ただ、相手を知ろうとして何度か会っている人は、最初のお見合いだけで持ったイメージから、その人自身を見るようになっていくことが多いと感じていました。
「条件」から「その人自身」に変わっていく
お見合い前はどうしても、
「○歳」
「年収○万円」
「○○の仕事をしている」
「写真はこんな感じ」
というプロフィール上の情報から相手を見ています。
お見合いでも、まだ「条件+第一印象」で判断する部分が大きいでしょう。
でも、何度か会って話をしていくと、
プロフィールの中の一人だった相手が、「○○さん」という一人の人間になっていきます。
この変化は婚活ではとても大切だと思っています。
結婚するのは「条件」ではありません。
実際に一緒に生活するのは、その人自身です。
だからこそ、その人自身が見えてくる前に判断してしまうのは、少しもったいないのではないでしょうか。
減点方式の人は「印象が変わる前」に交際を終わらせてしまう
減点方式になっている人には、もう一つ難しいところがあります。
本人が自分の婚活の癖に気づきにくいことです。
一人目は、
「見た目がタイプではなかった」
二人目は、
「会話があまり盛り上がらなかった」
三人目は、
「LINEの感じが少し合わなかった」
四人目は、
「なんとなく結婚相手として違うと思った」
それぞれに理由があるため、本人からすると、
「今回も合う人ではなかった」
というだけです。
そして、
「なかなか自分に合う人に出会えない」
「いい人がいない」
と思うようになります。
でも、第三者から活動を見ていると、別の疑問が出てきます。
本当に自分に合う人に出会えていないのでしょうか。
それとも、
すでに出会っているのに、相手を知る前に自分から候補から外しているのでしょうか。
婚活が長くなっているのに、毎回似たような理由で交際を終了しているのであれば、一度考えてみてもいいポイントだと思います。
相手探しを繰り返しているうちに、婚活そのものが目的になり、実際の結婚生活をイメージできなくなっていることもあります。
→ 婚活が長引く人の共通点|結婚生活をイメージできていますか?
「知ったうえで違う」と「知る前に違う」は全く違う
ここは誤解してほしくないところです。
この記事は、
「タイプじゃなくても我慢して交際しましょう」
という話ではありません。
何度か会ってみた結果、
「やっぱり価値観が違う」
「一緒にいると疲れてしまう」
「どうしても恋愛感情を持てそうにない」
「結婚生活を想像できない」
と思ったのであれば、それも一つの答えです。
無理に交際を続ける必要はありません。
ただ、
相手を知ったうえで「違う」と判断することと、相手を知る前に「違う」と判断することは全く別です。
婚活で必要なのは、判断をしないことではありません。
判断するための材料を少し増やしてみることなのだと思います。
減点方式から抜け出すために意識したい3つのこと
では、相手の欠点ばかり気になってしまう場合、どう考えればいいのでしょうか。
「好きになれそう?」ではなく「もう一度知りたい?」と考える
お見合いが終わった直後に、
「この人を好きになれそうかな」
と考えると、答えが出ないことがあります。
そもそも、初対面の相手をすぐ好きになれる人ばかりではありません。
そんなときは、
「もう一度会って、この人のことを知ってみたいか」
と考えてみてください。
「好き」まではいかなくても、
「嫌ではなかった」
「もう少し話してみてもいい」
と思えるのであれば、もう一度会ってみる意味はあると思います。
気になる部分が「結婚生活に本当に影響するのか」を考える
気になるところを見つけたら、
「これは結婚生活をするうえで、本当に重要なことだろうか?」
と一度考えてみるのもおすすめです。
服装が好みではない。
趣味が違う。
LINEの文章が少しそっけない。
こうしたことと、
金銭感覚が大きく違う。
人への態度が悪い。
嘘をつく。
約束を守らない。
では、意味が違います。
何でも許容する必要はありません。
大切なのは、すべてを同じ「マイナス1点」として扱わないことです。
自分も相手から見られていることを忘れない
婚活をしていると、どうしても「自分が相手を選ぶ」という意識が強くなります。
しかし、相手も同じように結婚相手を探しています。
自分が相手の見た目や話し方、気遣いなどを見ているように、相手も自分を見ています。
完璧な相手を求める前に、
「自分は相手から見たときに完璧なのだろうか」
と考えてみることも必要かもしれません。
これは自分を卑下するという意味ではありません。
お互いに完璧ではない二人が、どこまで違いを受け入れられるか。
結婚では、その視点も大切だからです。
婚活が長引いていると、自分では気づかないうちに相手を見る基準が厳しくなっていることもあります。
そんなときは、一人で考え続けるより、第三者から客観的なアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった婚活の癖が見えてくることもあります。
結婚相談所を選ぶ際は、料金や会員数だけでなく、こうした悩みを相談できるサポート体制も確認しておきたいところです。
サポートが手厚い結婚相談所を比較する
婚活は「相手を採点すること」ではなく「相手を知ること」
結婚相談所の婚活は、プロフィール検索から始まることが多いため、どうしても条件で相手を見るところからスタートします。
年齢、年収、学歴、職業、身長、趣味。
検索条件を設定して、その中から会いたい人を探します。
そのため、知らないうちに「条件に合っている人=良い人」「条件から外れる人=自分には合わない人」という感覚になってしまうことがあります。
しかし、結婚生活で一緒に暮らすのはプロフィールではありません。
一緒にいて安心できる。
困ったときに話し合える。
お互いの違いを認められる。
自分らしくいられる。
こうしたことは、プロフィールだけでは分かりません。
だから婚活では、相手を評価する時間だけではなく、相手を知る時間も必要なのだと思います。
条件やルールに当てはめて「正しい相手か」を判断しようとすると、目の前にいる相手そのものが見えにくくなることがあります。
男性に多い「婚活の正解を探しすぎてしまうケース」についてはこちらでも解説しています。
→ 婚活男性がやりがちな「正解探し」|大切なのはルールより相手を見ること
まとめ|最初の印象だけで、その人の価値を決めない
婚活で理想を持つことは悪いことではありません。
「こんな人と結婚したい」と思うからこそ、婚活を頑張れる部分もあります。
そして、違和感のある相手と無理に交際を続ける必要もありません。
ただ、お見合いや数回のデートだけで、その人のすべてが分かるわけではありません。
元結婚相談所カウンセラーとして婚活を見てきた中でも、お見合いでは、
「タイプではない」
「交際希望を出すか迷う」
と言っていた人が、何度か会って相手を知るうちに、最初とは違った印象を持つようになることはありました。
大切なのは、最初から100点の相手を探すことではありません。
目の前にいる人を、まず知ろうとしてみること。
知ったうえで「やっぱり違う」と思ったのなら、それも一つの答えです。
でも、知る前に「違う」と決めてしまえば、本当は相性の良かった人とのご縁まで、自分から手放してしまうかもしれません。
もし婚活が長くなり、
「なかなかいい人に出会えない」
と感じているのであれば、一度だけ振り返ってみてください。
本当にいい人に出会えていないのか。
それとも、
出会った人を知る前に、理想との違いを見つけて終わらせていないか。
相手を採点する婚活から、相手を知る婚活へ。
少し見方を変えるだけで、これまで気づかなかった相手の良さが見えてくるかもしれません。



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